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論文:文章完成法テストの臨床的有用性を高める人工知能システム活用の試み


人工知能システムを用いて、文章完成法テストの記述からその人のパーソナリティ特徴を推定する試みを行いました。精緻な推定をめざすというよりも、投影法検査をもっと豊かに活用していく可能性を拡げられればと思います。


https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1405206183



《要旨》

本研究は,文章完成法テスト(SCT)の精神科医療現場における活用可能性を拡げるために,人工知能システムであるIBM WatsonTM Personality Insightsを用いて記述データからのパーソナリティ解析を試みた。統合失調症患者(n=89)のSCTの記述から,希死念慮を持つ患者の特徴をどのように推定し得るかを検討するために,希死念慮を持つ群とそうでない群の記述のスコアを比較した。その結果,ビッグファイブパーソナリティ尺度の不安感の高さ,大胆さ・活発性・陽気さの低さ,自己規律の低さという特徴が示され,先行知見とおおむね一致する結果がテキストデータから推定された。直接的な訴えが難しい状態にある患者に対して,文章の特徴からリスク状態の可能性をスクリーニングできるような活用への発展が期待される


《論文題目》

平野真理・那須川哲哉 (2020) 文章完成法テストの臨床的有用性を高める人工知能システム活用の試み―希死念慮を持つ患者の文章から推定されるビッグファイブ性格特性― 精神医学, 741, 1269-1275.


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